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JRのATSについて


現在、全国の路線にある自動列車停止装置(ATS)。そもそもATSとはどういう仕組みなのか?また、ATSにもさまざまな種類があるのですが、それらの違いは?というものを、JRのATSを中心にまとめてみたいと思います。

・まず閉塞を知ろう

・ATSとは?

・最初のATS

・ATS-S

・ATS-P

・私鉄の場合

※これは管理人が調べて書いたものなので、間違いがあるかもしれません。それを承知の上で、あくまでも参考として見てください。もし本当に間違いがありましたら、管理人にお知らせください。苦情・文句・感想も受付ます。


まず閉塞を知ろう

ATSを知るには、まず閉塞を知らなければならないということで、閉塞の説明を簡単にさせていただきます。

・閉塞方式

閉塞方式というのは、先行列車や後続列車、単線の場合は対向列車との衝突を防止するために、一定の距離ごとに区画を設け、その区間内は1車両しか入れないようにする方式で、その区間を閉塞といいます。

・信号機

閉塞方式の中には、閉塞の入り口に信号機を設けているものがあります。
信号機は5色灯のものもありますが、一般的には青・黄・赤の3色灯があります。

青や赤は道路の信号と同じで、それぞれ進行と停止を意味します。そして黄色は、注意信号といって一定の速度まで減速を指示する意味があります。「電車でGO」等をやる人なら知ってる方も多いと思いますが、それを見る限りだと黄1色だと45km制限を意味します。5色灯のものならこれに加えて青黄や黄黄という表示も存在するようです。

・自動閉塞方式と軌道回路

この閉塞方法にはいろいろな種類があり、それは例えばタブレット閉塞方式であったりするのですが、一般的なのは自動閉塞方式です。
自動閉塞方式では停車場内や停車場間の線路に電気を流し(軌道回路)、その上を列車が通ることによって列車を感知して、閉塞の入り口にある閉塞信号機に反映させるという仕組みです。
ちなみに、非自動閉塞方式でも一部で軌道回路を使用している方式もあります。

あ、閉塞方式とATSは別物ですよ。


軌道回路を列車が踏むことにより車輪で回路が分断され、列車を感知する。簡単に言えば図の通り。


ATSとは?

そもそもATSって何?という方へ。

・ATSの役割

閉塞の所で解説した感じで信号機が赤(または黄色)で停止・減速を表示している場合には、運転手は表示に従わなければなりません。
しかし、何らかの原因で運転手がそれに従わない場合に、強制的にブレーキをかけて列車を停止させる装置がATSなのです。つまり、運転手のバックアップ装置なのです。

ATS導入前は、車内警報装置というものがありました。その名の通り警報をならすだけの装置でしたので、自動的に列車を停止するようなことはしませんでした。

日本では「三河島事故」という大事故がきっかけでATSが全国に導入されました。その後のATSの改良も、苦い事故が教訓になっているという経緯があります。

・ATSの仕組み

ATSは基本的に信号機の指示によって働きます。

現在使用されているATSは、多くの場合で地上側にある地上子と車両側にある車上子との電気信号のやり取りで作動しています。


最初のATS

原始的なATSの紹介。

・打ち子式ATS

日本で最初にATSを導入したのは国鉄ではありません。まだ帝都高速度交通営団という団体が登場する以前の東京地下鉄道(現:東京メトロ銀座線)なのです。
最初に採用されたのは1927年と、実に80年近くも前なのです。

仕組みはいたって簡単。信号が赤表示になると地上側に打ち子と呼ばれる突起が起き上がります。そしてそのまま列車が通過すると、突起が列車のエアコックと呼ばれるものに当たります。するとエアコックにつながっているブレーキ管が開いて非常ブレーキが作動するというものです。

この打ち子式は銀座線のほか、東京メトロ丸の内線や大阪市営地下鉄の一部の路線、名古屋市営地下鉄東山線で採用されていました。しかし地下鉄向けに新型のATCが開発されると、この打ち子式は次々に廃止され、1960年代には大阪市営地下鉄から撤退しました。しかし単純ながら信頼できる装置だったため、銀座線では1993年、丸の内線では1998年、そして東山線ではなんと2004年まで使われていました。


ATS-S

さて、次はATSの種類の解説です。

・ATS−S型

「三河島事故」のあとに全国に普及したATSのうち、国電区間以外で採用されたATSです。(国電ではB型というものが採用されましたが、現在ではP型に変更されているため、ここでは省略します。)

S型は軌道や地上子に流れている周波数を変化させてやり取りをする「変周式」となっています(まぁこの変周式については私もよく分かってないのですが・・・)

信号機の表示が赤、もしくは黄色のときに信号を通過したときに警告音(ジリリリリってやつ)がなります。そしたら5秒以内にブレーキを掛けて確認ボタンを押せば、音がチャイム音(キンコンってやつ)に変わります。で、この確認動作をしないと非常ブレーキがかかっちゃうという仕組みです。かぶりつきをしててこの「ジリリリリキンコンキンコン」ってのを聞いたことがある人は多いかと思います。

しかし、このS型には欠点があります。たとえ信号が赤や黄色を指示していたとしても、確認動作をしてしまえばあとは停止信号を通過しても非常ブレーキがかからなくなります。

・S型の改良型

S型の欠点を補い、確認動作をしても絶対信号機の停止信号を冒進すれば非常ブレーキがかかるようにしたのが改良型です。

この改良型はJR各社によって呼び名が違う、というか改良した会社が独自に名称を決めてしまうようですが、多少は違っても互換性はあります。

JR北海道→SN JR東日本→S JR東海→S JR西日本→SW JR四国→SS JR九州はSK JR貨物→SF

という風に呼ばれています。周波数は同じで互換性もありますが、SNとSN以外の改良型には速度照査機能が、STにはさらに列車番号送出機能が付いています。

ちなみに、JR東日本のうちJR東海に乗り入れる東海道線車両にはSTの機能を併せ持つATSを搭載しています。さらに同じくJR東日本に乗り入れる伊豆急線の車両にはSIという表記がありますが、機能はSと同じです。


ATS−P

今話題のP型について

・ATS−P

この方式を説明するに当たって知っておきたいことは、以前のATSでは一方的に地上子→車上子という通信だったのですが、P型では相互に地上子⇔車上子の通信がデジタルでできるようになっているということです。

さて、P型のPはパターンのPです。その名の通り、地上子→車上子の通信の際に走行の「パターン」を製作・記憶します。この「パターン」とは、先行列車や路線設備での制限速度によるブレーキのパターンのことです。
列車がこの「パターン」を超える速度を出そうものなら、ブレーキがかかります。といっても、いきなり非常ブレーキを掛けるのではなく、常用ブレーキ(普通のブレーキ)の一番強いのを掛けます。だから危なくないわけで。

しかも、車上子→地上子という通信も存在するため、先行列車のパターンと比較して後続列車のパターンを決めることができ、先行列車との追突は避けられるという算段です。
車上→地上の通信のおかげで車両の性能の情報が送れるになり、高性能の車両向けのパターンを作ることもできるようになりました。

欠点として、他のATSとの互換性がないため、P型に対応していない車両はP型採用路線に進入できません。もちろん貨物も例外ではないため、既存のATSを採用していた路線がP型に変更するときは、貨物や他からの乗り入れ車両との折り合いがうまく行かなければならないわけです。
ちなみにJR貨物の車両でP型対応車にはPFという表記がされています。

このP型は、首都圏の各路線(ATC採用区間及び東海道線除く)と大阪環状線、阪和線、大和路線、JR東西線、そしてJRのほかにも北越急行線や智頭急行線といったJRと結びつきが強い会社で採用されています。

・PN型

P型との互換性をもちながら、車上子→地上子の通信を省略した型です。列車密度が低い路線で採用されている節約型です。

・P

これはJR東日本の仙台・新潟地区で採用されているP型の仲間です。といっても、S型との互換性を持つために変周式となっています。
だから実際は改良S型に速度照査機能とパターン発生機能が付いただけのものに近く、P型を搭載した車両は変周式を採用しているすべての線区に入線することができますし、逆にS・S・SW型に対応した車両はP型区間に入線することができます。

しかし、P型にはない装備もあります。P型対応車両の運転席には、2色LEDによる速度表示用の車内搭載機を設置し、現在速度とパターンの速度の両方を表示することができます。

・P2型

P2型はJR西日本限定の仲間です。基本は改良S型(JR西日本だからSW型ですね)。それを基本にして出発・場内信号機からのみ機能するタイプです。拠点P型とも呼ばれています。

P型との互換性はなく、P2型に対応していないP型対応車がP2型区間に入ると誤作動を起こすので、P型をoffにして入線しています。ちなみにJR西日本の車両は両方に対応しています。

このP2型を採用しているのはJR京都・神戸線(東海道・山陽線)です。


私鉄の場合

これまで紹介してきたATSは特記がない限り国鉄→JRで採用されているもので、他の私鉄ではまた違うタイプのATSが導入されています。というのも、かつて私鉄では国鉄→JRとは別に「速度照査機能」を設置することが法律によって義務づけられていました。

そのため、私鉄各社ではそれぞれ別モノのATSが設置されているものの、多くはJRより優れています。


ATSにはJRだけでもさまざまなタイプがありますが、まぁ大体こんなもんです。
また、今後は研究によってさらなる改良が加えられるかもしれません。例えば、国電区間にはかつてB型というATSがありましたが、その後P型に変更されています。

ただ、このような変更では多くの場合は大事故が原因で普及・改良が行われてるのが実情です。ATSを変更するとなると車上設備やら地上設備やらでいろいろ作業が多くなりそうですしね。
でも、やっぱり安全確保に関わってくる装置ですから、できるだけいいものが広く普及するべきなんですよね。そこのところは会社だけではコストがかかるので、国が援助しなければなりませんけどね。

今後もATSの改良・普及を期待!


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"旅始駅〜鉄道旅行のターミナル〜"was written by 209-0