地下線とトンネル?


ここでいう地下鉄とトンネルとは主にJRの地下を走る路線のことです。

この話をするに当たり、まずは地下鉄の定義を一つあげます。

前面にドアをつける

この定義の目的は非常口の確保です。地下鉄路線は側面にすぐ壁がせまっていて、緊急時で列車がストップした時に逃げ場が無くならないようにとの措置です。地下鉄と呼ばれる路線を走る列車はよくみれば全列車の前面にドアがついてます。今回は趣旨が外れるので詳しくは掘り下げませんが、とりあえず地下鉄を通るには車両の前面にドアが無ければいけません。

で、気づいたことはありませんか?首都圏のJR線などで、地上に土地が無いから地下にホームを作るという話はよくあります。例としては上野駅の東北新幹線、東京駅の京葉・横須賀線ホーム、大宮駅の川越・埼京線ホームなどです。

おかしくないですか?これらの路線を走る車両を思い出してください。東北新幹線は上野付近では地下を走るのに、新幹線のどの車両に前面ドアがついてると思いますか?こういう車両に前面ドアがあると思いますか?無いですね(連結器から無理やりでる、ってのは無しね)。他に例を挙げれば「205系、103系」などがあります。こういう車両には前面ドアが無いのにどうして地下線を走れるの?っておもいませんか?

それは、これらの路線は「地下鉄」ではなく「トンネル」なのです。「地下鉄ではないだろう」とは分かるにしても「トンネル」とは気づきにくいです。しかしよく見れば、トンネル断面が地下鉄より大きくなっています。一度かぶりつきをすれば大体分かると思います(新幹線では無理だと思いますが)。極端な例としては埼京線大宮駅付近があり、ホームからでも断面の大きさがはっきりと分かります。

大ターミナルに新線を乗り入れさせようとしたときに地下に作りたい・・・が地下鉄仕様では車両の乗り入れが柔軟に出来ない・・・ならば「トンネル」として作ろう!というある意味ウラ技的な話なのです。

おかげで京葉線地下ホームには205系や103系、201系や特急型の255系、E257系500番台から国鉄仕様の115系、183系、挙句の果てにはあの寝台特急583系までも乗り入れています(すげー)。 

よく地下鉄とそうではない地下路線をひっくるめて「地下鉄」と呼んでる人を見ますが(鉄道マニアではほとんど見ませんが)、もしかしたらトンネルをさしていってるのかもしれませんね。

ちなみにJR東日本で一番地下鉄に似た都市トンネルは仙石線仙台付近かと思われますが、この区間は「仙台トンネル」というらしいです。


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一言コラム:トンネルでも地下鉄でも客にとっては大して変わらない

"旅始駅〜鉄道旅行のターミナル〜"was written by 209-0