路線データ | |||||
区間 section |
距離 distance |
複単線 tracks |
電化 erectrify |
種別 kind |
車両 cars |
大宮〜武蔵浦和〜赤羽 Omiya~Akabane via Musashi-urawa |
27.3km |
全線複線 |
全線直流 all ilne D.C |
各駅停車・快速・通勤快速 Local・Rapid・commuter Rpd |
205系 70-000系(りんかい線) |
赤羽〜板橋〜池袋 |
27.3km |
全線複線 |
全線直流 all ilne D.C |
各駅停車・快速・通勤快速 Local・Rapid・commuter Rpd |
205系 70-000系(りんかい線) |
池袋〜新宿〜大崎 Ikebukuro~Osaki via Shinjuku |
27.3km |
全線複線 |
全線直流 all ilne D.C |
各駅停車・快速・通勤快速・特別快速・特急 Local・Rapid・commuter RPD・special RPD・limited EX |
205系 |
埼京線は複数の路線を走る列車の愛称であり、さまざまな捉え方があるので、ここでは上記の区間をあわせて埼京線とします。
そのため、上記データでは湘南新宿ラインや、新宿〜大崎を走る特急・ライナーの車両は省きました。
※注 正式には、大宮〜赤羽は東北線別線、赤羽〜池袋は赤羽線、池袋〜大崎は山手貨物線、となっています。
■歴史 histry
この路線の由来は大宮〜赤羽と赤羽〜大崎で大きく変わります。歴史的には後者の赤羽〜大崎の方が古い路線です。 この区間の始まりは、かつて国鉄が存在する以前の日本鉄道(日鉄)時代、つまり明治時代にまでさかのぼります。 その後品川線は日鉄ごと国有化され、山手線となりました。このとき赤羽〜池袋は本線として残りましたが、実質的には支線のような扱いでした(池袋〜田端は国有化前に開業済み)。そして同区間は1972年に赤羽線として正式に分離されました。ちなみに当時の路線カラーは黄色。 一方、大宮〜赤羽はごく最近になってから開業した比較的新しい路線です。 また、この新線建設は大宮以南で深刻だった東北線の混雑を解消すべく、同線に乗り入れていた高崎線の都心乗り入れの別ルートを作る計画とも連動し、建設が決定されました。 そのため新設区間の駅は将来的に15両編成に対応できるように建設され、また大宮の北側では高崎線に接続できるような構造になりました。しかし肝心の車両は、国鉄改革とかぶったために近郊型の新車を用意できませんでした。 さらに「通勤新線」用の車庫を高崎線沿線に用意することができず、結局この車庫は土地があいていた川越線の川越〜南古谷に作られることになり、結果的に「通勤新線」もとりあえずは川越線直通ということになったのです。 こうして「通勤新線」は先の赤羽線を取り込んだ形で1985年9月に、大宮〜池袋を「埼京線」として運行を開始し、同時に川越線に乗り入れることになったのです。 当時は山手線から余剰した103系を使用していました。走行音がすさまじく、なかなかの爆走振りを発揮していたようですが、開業からわずか数年で全車が205系に統一されました。 埼京線はその後、山手貨物線を使用した1986年3月の新宿延伸を皮切りに、1996年の恵比寿延伸、そして2002年の大崎延伸と線路を延ばしていきました。 2001年からは「湘南新宿ライン」が運行を開始し、池袋〜大崎(恵比寿)の線路を埼京線と共用することになりました。また、2002年の大崎延伸と同時に東京臨海高速鉄道りんかい線との相互直通運転を開始しました。 また、埼京線は首都圏でもっとも痴漢の被害が多かったこともあり、2001年にはJR東日本では初めて「女性専用車」が設定されました。当初は夜間の数本のみでしたが、2005年からは朝ラッシュ時の大多数の列車に拡大しました。ちなみに「女性専用車」の朝の設定もJR東日本ではじめてだとか。 | |
■運用状況 apply state
●各駅停車 埼京線は基本的に「普通列車」とは言わず「各駅停車」と呼ばれています。 朝夕のラッシュ時は3〜5分の間隔で、1時間に8本ほど走っています。間に通勤快速が入るときは10分近く空くときもあります。 日中(8時〜15時)までは8〜11分の間隔で、1時間に5本走っています。間に快速が入るときは20分近くも空いてしまう時があるようです。 また、赤羽折り返しの列車が設定され、赤羽〜新宿は多いときは1時間に12本の設定となります。 行き先は、大宮発上りは新木場行または新宿行が多数を占め、早朝深夜には大崎行や池袋行が設定されています。 下りもやはり新木場発または新宿発が多く、行き先は大宮行や川越行のほか、1時間に数本ほど赤羽行が設定され、さらに朝晩は武蔵浦和行というのも存在します。かつては指扇行というのもありましたが、今は無いようです。 使用車両は冒頭データのとおり。 埼京線各駅停車は運転間隔がまちまちで、そのうえ日中は駅によっては間隔が大きく開き、隣を走る新幹線の方が本数が多く感じるときもあります。 ●快速列車 快速列車は平日の日中と休日に運行されています。 もともと埼京線の大宮〜赤羽は駅の数が多くて駅間が短いので、快速が多めに設定されていると思われます。 そもそも池袋以南では山手線に対する快速列車の役割を持っているので、快速運転は不要なのです。 ちなみに同区間では特急が通過運転をしているほか、湘南新宿ラインの特別快速が恵比寿を通過しています。 埼京線の待避可能駅は南与野・武蔵浦和・戸田公園ですが、日中の快速は唯一緩急接続ができる武蔵浦和で各駅停車を抜いています。 ●通勤快速 通勤快速は平日の朝夕ラッシュ時に快速の代わりに運行される、埼京線の最速達列車です。 埼京線は新宿方面へ向かうことから、新宿方面へ向かう宇都宮・高崎線の乗客が混雑を避けるために大宮で埼京線に乗り換えるようになりました。 そのため埼京線の通勤快速は他の線に比べて圧倒的に本数が多いのが特徴で、7・8時台は1時間に5本もの通勤快速が設定されています。同時間帯は各駅停車1〜2本に対し1本の通勤快速が運行されていることになります。 また通勤快速の待避は武蔵浦和のほかに、快速が利用しない南与野・戸田公園もあわせて使っています。 大宮発上りは新宿・新木場行き、下りは新木場・新宿から大宮行または川越行が設定されています。 ●特急列車 大宮〜新宿・大崎を通しての特急運用はありませんが、池袋〜新宿・大崎間ではさまざまな特急が、埼京線と同じ線路を通ります。 |
■沿線の様子 along the
railroad line
大宮は地下からのスタート。地下なのに2面4線でホームも広く作られています。埼京線は朝夕を中心に非常に混雑が激しいので、全体的に広いホームが作られています。 大宮を出るとすぐに地上へ上ります。一度1階のレベルに上ってからさらに新幹線と同じレベルまで上がります。高架にしても結構高さがあります。2階のたかさはあるかな? 新幹線と並んだところで北与野。北与野はさいたま新都心のもう一つのアクセス口で、沿線には「埼玉スーパーアリーナ」やいろんなビルが見れます。 埼京線の北与野〜北赤羽間の駅は構造などが各駅とも非常に良く似てて見分けがつきずらいので、各駅にはイメージカラーが与えられ、その色がホームの壁に帯状に施されています。非常に便利。 北与野から赤羽の手前までは東北新幹線と並走します。特にコンクリートの壁などでさえぎられてるわけでもないので、東北新幹線を電車に乗りながら見ることができます。知る人ぞ知る子供の人気路線です。 北与野を出たらカーブしてすぐに与野本町。快速停車駅で、中央区(旧与野市)区役所が近いです。 埼京線は、新幹線の規制や敷設の経緯をみると、沿線は住宅街ばかりが広がる無機質な場所が想像できますが、与野本町から先は以外とそうでないところも多く、電車からは家に囲まれた田んぼや畑も多く見ることができます。 与野本町の次は南与野。ここの駅間も短いです。大宮〜赤羽間は駅が多めに設定されています。 南与野は待避可能駅。外側に通過線が敷かれ、内側に停車線とホームが挟まれています。この駅の待避設備は朝夕ラッシュの時の通勤快速の待避に使われます。 次の中浦和は、一見すれば普通の中間駅。ですが、駅のすぐ下には武蔵野線と東北線をむすぶ貨物線が通っていて、埼京線からはその貨物線が地下に入る所を見ることができます。 そして次は武蔵浦和。大宮〜赤羽間の中心駅です。2面4線で外側が本線。朝夕の通勤快速及び日中の快速と各駅停車で緩急接続を行っています。また、朝夕は武蔵浦和止まりというのも存在します。 また武蔵浦和は同区間の唯一のJR乗換駅で、武蔵野線と乗り換えできます。 武蔵浦和が埼京線のさいたま市の南限で、次の北戸田からは戸田市に入ります。 北戸田付近から地面が低くなり、それに伴って線路にも坂が入ります。 埼京線は北戸田の南で急勾配を通り、戸田に着きます。戸田は大宮〜赤羽間で唯一冠詞がつかない駅。市役所の最寄り駅でもあります。 戸田市内の快速停車駅は次の戸田公園になります。 東北本線は荒川を渡るとすぐに赤羽につきますが、埼京線は荒川を渡ったあとに浮間舟渡・北赤羽の2駅があります。 北赤羽を出るとトンネルが待ち構え、そのトンネルを抜けると、東側から東北線群が現れます。埼京線は新幹線の下にもぐりこみ、東北線群と合流するころで赤羽になります。 赤羽は新宿方面からの列車の一部が折り返す駅で、駅の北側には引込み線が設置されています。 また赤羽は東北線群からの乗り換えが多い駅です。というのも、赤羽〜新宿間は東北本線から新宿方面への短縮路線として昔から機能していて、今でも新宿へ向かう人が多く利用しているのです。 赤羽〜池袋は非常に古くからある路線。ほとんど高架だった赤羽以北とはまた全然違う景色になります。 十条は埼京線では唯一無二の対面式ホーム。駅の南側には商店街が隣接し、まるで私鉄の駅のよう。 板橋は昔貨物線の引込み線があったところ。いまでも名残を見ることができますが、駅自体は通勤駅となっています。 そして池袋は、東武東上線や西武池袋線といった路線と接続していて、埼京線も含めて埼玉方面へのターミナルとなっています。 池袋からは山手線に対する快速線という扱いです。そのため山手線はこまめに駅に停車しますが、埼京線は一気に新宿となります。 その新宿は、埼京線が新宿へ延伸してからますますターミナルとしての地位を高めています。現在は乗降者数が世界一の駅となっています。 新宿以南は、同じ路線を東海道線方面や総武東京駅へ行く特急などが頻繁に通るようになります。 次の渋谷は、あとから埼京線ホームをつけたために多少の無理が生じ、山手線ホームから離れたところにあります。興味深い構図ではありますが、隣の東急線ホームの地下移設後の跡地に埼京線ホームを移動する予定です。 次の恵比寿は、2002年までの埼京線の終点だった駅。当時から折り返し設備がなく、列車は一旦大崎へ引いていたようです。 そして次は終点の大崎。湘南新宿ラインと山手線の分岐点となっています。終点とはいっても、埼京線はほとんどがこの先りんかい線に乗り入れていて、折り返し列車は少なくなっています。 |
■コメント comment
埼京線は、歴史は新しいものの非常に大事な路線。湘南新宿ラインや片町・JR東西・福知山線に代表される、複数の路線を取り込む複合型通勤ルートの草分けともいえる路線です。 路線名ですが、これまでの国鉄の例で行けば「京埼線」のように起点を先にするのが普通ですが、「最強」の語呂が良いので「埼京線」となったようです。国鉄の「将来的に絶対なくてはならない最強な路線になるように」という思いがあったとか。今ではいろんな意味で「最強」です。 埼京線はなぜ利用客が多いかというと、沿線人口が多いことに加え、JRでの埼玉から新宿へ直通できる初めての路線ということがあります。 ちなみに高崎線直通問題ですが、設備的には先述した大宮駅北側の構造に加え、高崎線の大宮〜宮原間に複々線の用地を確保していたので、工事すれば直通は十分可能な状態にはありました。 ただし上尾市がさいたま市と合併する際、上尾市が「大宮〜宮原の空間を利用しての埼京線の上尾延伸」を見返りとして要求したこともあるようです。(上尾市は結局合併しないことになりました。余談ですが、この決定で私の地元の伊奈町もさいたま市と合併できなくなりました・・・。) かつて「通勤新線」といわれた埼京線のラッシュ時の混雑はすさまじく、まさに筋トレ状態。それが祟ってか、痴漢の被害数も埼京線が日本一です。良い意味でも悪い意味でも「最強」となっています。 |
"旅始駅〜鉄道旅行のターミナル〜"was written by 209-0