北関東に新快速は必要か つづき

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4.新快速=絶対メリットとは限らない!

競争区間で無い路線が不用意に通過駅を増やすのは、通過駅の利用客の乗車チャンネルが減るだけで逆に不便になります。路線としても快速停車駅だけでは経営は絶対不可能です。さっきも言ったように通過駅にも利用客はいるのですから。

このような路線に新快速列車のような通過駅が多い列車が増えると、通過駅で直接使える列車が限られてくるようになります。その限られた列車に利用客が集中し、終日混雑します。

さらに、同じ路線にいろいろな通過列車が混合すると各駅停車が減り、列車間隔が開きます。都市部で列車間隔が10分以上開くと都市列車として機能しにくくなります。そしてなにより利用客に嫌われます。
どう弁明しても乗客を理解させる説明が出来ない事をやる会社は、最低です。

かつて高崎線に新快速をしたてる計画があったのにもかかわらず、それが立ち消えになった理由は新幹線客の減少を恐れたほかにもこのような理由があったからなのかもしれません。

 

5.新快速には「受け皿」が必要

受け皿とは、「4.新快速=メリットとは限らない!」で述べたような、通過列車の後発に客が集中する現象において、利用客を分散させるための乗車チャンネルです。

関西では複々線を有効活用し、新快速をフォローする各駅停車や快速を大量に走らせていて、さらに私鉄の路線があるので列車の集中は防がれています。

では複々線ではない中京の東海道線はどうなのか。同線は優等列車が中心で、各駅停車の本数が極端に少ないという事情があります。しかし中京では名鉄があり、通過駅では利用客を名鉄にシフトさせて乗客の集中を防ぐことが可能となっています。

 

6.北関東の現状

関東でも、南関東は東海道線に対抗する私鉄が点在しており、新快速を作る要素は出来ています。こちらは今こそJRが先手を打つべきであり、私鉄も手を打つべきです。

しかし北関東は違います。埼玉県には主に東武や西武などが活躍していますがさいたま市には東武野田線以外は乗り入れておらず、さらに他の地区でもJRとの競争性はなく、むしろ協調路線ともいえます。

資本主義の基本は競争にあり、競争が無いとその業界は錆び、衰えます。いまの埼玉県内の鉄道はまさにその状況で、埼玉県が「さいたま市には私鉄がなく、JR運賃特例がないので運賃が高いからなんとかしろ」との姿勢を見せたほどです。-3/27に適切な文章に訂正-

同じ埼玉県内でも川越は競争が一応あります。しかし川越自体たいした都市ではなく(一応県内第2の商業都市ですが)、各鉄道会社があまり精力的に競争をしないようです。

宇都宮はどうでしょう。私鉄は東武宇都宮線が乗り入れていますが、JRの足元にも及びません。日光では逆に東武線が盛んですがJRが錆びています。(2004年現在、東武がJRに乗り入れて日光新宿直通列車を通す計画が進行中で、競争の考えは無いようです。)

群馬はどうでしょう。区間が区間ですので競争までには至りません。(東武線の渋川延伸計画が昔あったようですが、いまは無いようです。)

常磐線沿線はどうでしょう。つくばエキスプレスがありますが、これは第3セクターなのでJRは協力的になりそうです。

つまり、どうしても私鉄の競争がしたければ、川越の競争を活発化するか、または東武が真剣になって宇都宮に攻め入るか、そうでなければ新線建設に頼るほかは無いのです。

 

7.新快速の前に競争環境を

この項は私の希望・願望が含まれています。

各鉄道会社は川越・宇都宮間で勇気を出して競争を活性化するべきです。とくに東武宇都宮線は都心との距離がほぼ直線なので、頑張ればJRと肩を並べられるかもしれません。新幹線なんて目じゃないぜ!

どうせ新線を作るなら常磐線沿線や、さいたま市内、高崎線沿線につくるのがベターでしょう。もちろんJR東日本が相手になるでしょう。「JRの混雑解消」と銘打てば免許は取れるはずです。

問題は用地買収です。さいたま市内にいたってはもう地上には用地は無いでしょう。地上に出来なければ地下に作るという案があります。東武東上線の北朝霞あたりから分岐してさいたま西部から大宮にいたる線とか・・・ちょっと遠回りですが。

常磐線沿線に作る場合は、つくばエキスプレスも視野に入れないとあとで痛い目にあいます。土浦あたりまで作るのが理想ですが、電化の問題もあるので取手あたりまでになるでしょう。

高崎線沿線は、東京都心〜高崎・前橋を直結する鉄道があればいいでしょう。これは少々遠回りですが東武線を延伸させる形でかたが付くでしょう。

ただしこの不況のなか、新線を作るのはとても難しいでしょうね。東武宇都宮線にしても、ターミナルが狭くて増発が難しいかもしれません。線路容量も厳しいかもしれません。しかしせっかく複々線区間がありますし、どうにかしてもらいたいものです。

 

8.まとめ

結論:北関東では私鉄との競争が起こるまではJR線に新快速は必要ないと思います。

結局北関東は競争が激しくならない限りJR線に新快速を設置するのは無理だと思うので、この人口減少時代ではあまり期待は出来ないと思います。

 

最後に・・・
このページの文章は、3月27日に現在のように訂正しました。前の文章では冷静さを欠いた乱暴な文面であり、閲覧された方に不愉快な気分にさせる可能性があった文章を公開していました。お詫びいたします。また、そのような文章を長期にわたり訂正なく公開し続けていたことも、重ねてお詫びします。申し訳ございませんでした。


最後まで読んでくださった方々、文章が非常に読みづらかったのですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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