国有化した私鉄たち〜かつての栄光〜
歴史
１８８７年に設立され、１８８８年に兵庫〜明石が開通しました。同年に明石〜姫路が、翌年に兵庫〜神戸が開通した後はどんどん西へ進み、岡山や広島を経て１９０１年に馬関（現下関）まで開通しました。その後は１９０６年１２月１日に鉄道国有法にて官設鉄道に買収されました。
かつての路線
・神戸〜下関（現在の山陽本線の一部）
コメント
区間見たら大体分かりますよね。山陽本線の前身です。今の山陽電鉄とは違います。西日本きっての長距離私鉄でしたが、この会社の何がすごいのかって言うと、サービス面において今後に大きく影響する事柄を、他に先駆け次々に実践していったところでしょう。具体的にいえば
・長距離急行の運転（１８９４年）
・ボーイの添乗（１８９８年）
・食堂車の連結（１８９９年）
・１等寝台車の連結（１９００年）
・「最急行」の運転（１９０１年・特急の元祖とされているもので、日本初の優等列車だった）
・２等寝台車の連結（１９０３年）
・その他ステーションホテルの設置等
・・・すごいですよね。買収された会社でここまでサービス面にこだわった会社は他にないのではないでしょうか。そんな山陽鉄道も結局は官設鉄道に買収されてしまうんですけどね。
歴史
設立は１８８９年のこと。伊勢神宮への参拝の目的で津〜小俣（現在の宮川付近。近鉄山田線に小俣駅あり）の建設を出願しました。その後１８９０年に、将来関西鉄道と接続することが条件で免許が下り、１８９３年に津・阿槽〜宮川間が開通しました。さらに宮川〜宇治山田（現在近鉄鳥羽線に同名の駅あり）の延伸の免許が下り、１８９７年同区間が開業。その後鳥羽への延伸を申請し、１９０７年に免許が下りましたが、着工には至りませんでした。そして１９０７年１０月１日に鉄道国有法により官設鉄道に買収されました。
かつての路線
・津〜宇治山田（現在の紀勢本線の一部と参宮線）
コメント
参宮鉄道という名前は実は全国にあり、参宮を目的とした鉄道全般をさすこともあるそうですが、参宮鉄道株式会社といえばこの伊勢の参宮鉄道を指すようです。
津〜宇治山田までは順調に建設が進められたこの会社ですが、最後にずっこけて、そのまま買収されてしまったという会社です。まぁ最後の免許が下りたのが１９０７年と買収された年なので、数ヶ月で建設するのは無理だったんでしょう。一歩遅かったですね。残念！
歴史
１８９９年に徳島〜鴨島まで開通したのが始まりで、その後順次延伸し１９０７年８月２８日、つまり買収される４日前に川田まで開通し、１９０７年９月１日に鉄道国有法により官設鉄道に買収されました。
ちなみに買収後にも延伸は続けられ、１９１４年に佃（当時は信号所）まで全通し、土讃線に接続しました。
かつての路線
・徳島〜川田（現在の徳島線の一部）
コメント
私自身この路線の存在知ったのがつい最近なのでコメントするのが非常に難しいのですが・・・。この会社って買収されるギリギリまで建設してたんですねぇ。てことは最初から買収する目的で会社が出来たのでしょうか？詳細は分かりません。
歴史
九州鉄道は１８８９年に博多〜千歳川仮駅（筑後川の北）を開通させたのが始まりで、九州初の鉄道となりました。その後１８９１年には門司（現門司港）へ、１８９６年に八代へ開通させました。その後１９０７年７月１日に鉄道国有法によって官設鉄道に買収されました。
かつての路線
・門司港〜八代（現在の鹿児島本線の一部）
コメント
これの子孫（？）が鹿児島本線だということは分かりますね？その鹿児島本線の起点はご存知門司港で、今現在も門司港付近に九州鉄道記念館がありますが、最初に九州に開通した鉄道は博多側で、門司港はあくまでも九州の入り口なんですよね。
で、少し前までは門司港〜鹿児島中央間がつながっていたのですが、九州新幹線開業と同時に八代〜川内が３セク化し、鹿児島本線は門司港〜八代・川内〜鹿児島中央に分断されました。南側はともかく、門司港〜八代についてはかつての九州鉄道時代の路線に戻ったということですね。めでたしめでたし（謎）でも鹿児島まで通ってないのに鹿児島本線です・・・。九州鉄道のコメントになってませんね・・・
あと、歴史上九州鉄道という名前の会社はもう一つあり、こちらは西日本鉄道の前身になったもので、この会社とは違います。
これで１９０６年交付された鉄道国有法で買収された１７社すべてを紹介しました。
"旅始駅〜鉄道旅行のターミナル〜"was written by 209-0